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アロマテラピー

心と体を癒やす植物のエッセンス

香りには不思議な力があります。記憶の奥底に沈み、普段は思い出すこともない出来事が、ふとした弾みに鮮やかによみがえる。遠足や運動会の思い出。お祭りの日の喧騒。家族のだんらん。お正月の出来事。初恋のときめき、などなど。
キッカケは匂いです。例えば普段、珈琲の香りを嗅いでも何でもないのに、焼きたてのアップルパイの甘酸っぱい匂いに、淹れたての珈琲の馥郁とした香りが重なって漂ってきた瞬間に、優しかった母親の笑顔とともに、子どもの頃の懐かしい思い出が蘇ってくる。
あるいはカサブランカの香りに初恋の相手を思い出して胸がキュンと高鳴ったり。誰でも懐かしい匂いを嗅いだ瞬間に、時間と空間を超えて過去の自分に戻ることが出来るのです。それが匂いのマジック。香りだけが持っている力です。
アナタは思いがけない香りを嗅いで、忘れていた出来事を思い出し、胸が熱くなったことはありませんか?例えばパイナップルやレモンなどのフルーツの香り、シチューや焼肉の匂いやワインの馥郁とした香りetc。
私にはあります。すりおろしたりんご🍎匂いです。インフルエンザやおたふくかぜなどに罹り、高熱で何も食べられない私に、母はすりおろしたりんごを食べさせてくれました。りんごはスプーンの冷たさと相まって、全身の熱を冷ましてくれる、滋味あふれる優しい味でした。
淡雪よりも濃い色をしたシャーベットのようなりんごの果肉。甘酸っぱさとともに母親の心配そうな顔を思い出す、思い出の匂い。私はこの香りだけで、自分が母親に愛されていたのだと実感することが出来ます。これは匂いだけが持つ偉大な力です。
アナタの思い出を喚起するのは、どんな香りですか?
香りは記憶と深く結びついています。それは単純に、脳の仕組みがそうなっているから。オレンジやレモンなど柑橘類の香りが認知症の予防やケアに利用されるのは、それらの香り成分が記憶を司る海馬を刺激するからです。
香りが引き出してくれる記憶のファイルや思い出の数々は、脳を活性化させてくれます。
精油を使ってボディケアをしたり、芳香浴でリラクゼーションする。それがアロマテラピーの醍醐味です。
心と身体は考えている以上に密接に結びついています。もちろん、病気になったら病院に行ってお医者さまの診断を受け、治療することが大切です。けれど未病を改善したり、疲れを回復するのは、白いクスリよりも緑のクスリ、つまり植物の方が得意です。
大好きな花の香りを嗅いで疲れを癒やしたり、好みの精油で手足をケアすることは、美容にも健康にも、とても有効です。
小さな遮光瓶に詰められた精油の力を、もっと身近に感じてみませんか。もちろん、お花を買ってきてテーブルに飾る。ベランダに鉢植えを置く。そんな行為そのものも、匂いとともに癒やしのひと時を与えてくれることでしょう。
アロマテラピー。それは多忙な私たちに、ゆったりと落ち着いた時間を与えてくれる魔法のセラピーです。貴女も大好きなお花の香りで癒やされてみませんか?
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